- 経頭蓋磁気刺激(TMS)と認知症
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神経細胞は電気刺激により情報をやりとりしています。物理的に、脳神経は電気を流す電線の集まりといえます。
発電機が電線を磁場の中で動かして発電するのと同じように、神経細胞に磁力線を当てるとと電気が流れます。神経細胞を活性化することができるということです。
経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation, TMS)は、非侵襲的に脳の神経回路を刺激する手法として注目されています。TMSは、認知症の診断や治療の手段として利用されており、特にアルツハイマー病(AD)を含むさまざまな認知症に対する有効性が研究されています。本記事では、TMSと認知機能の関係、認知症リスクとの関連、およびTMSの治療的可能性について解説します。
1. TMSによる認知症治療
TMSは、神経可塑性を誘導し、認知機能の改善を促す可能性があるため、治療法としての応用が期待されています。
(1) 認知症に対するTMSの効果
- 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の認知機能改善効果
- rTMSは、特に軽度から中等度のアルツハイマー病患者において、認知機能を向上させる可能性があります (Rabey & Dobronevsky, 2016)。
- 多部位刺激と認知トレーニングの組み合わせ
- 複数の脳領域へのrTMSと認知トレーニングの併用により、記憶、言語能力、意欲などの改善が期待できるとされています (Lazzaro et al., 2021)。
(2) TMSの長期的効果
- MCIに対するTMSの持続的な認知機能向上
- MCI患者に対して高頻度rTMSを10回施行した研究では、治療後1か月経過しても記憶力の改善効果が持続していることが確認されました (Marra et al., 2015)。
- 持続的な神経保護効果の可能性
- 一部の研究では、rTMSがアミロイドβ蓄積の抑制や神経炎症の軽減に関与する可能性が示唆されています (Heidarpanah, 2022)。
2. TMSとアミロイドβの関連
アルツハイマー病の主要な病理の一つであるアミロイドβの蓄積とTMSの影響についても研究が進んでいます。
- TMSがアミロイドβの蓄積に及ぼす影響
- 一部の研究では、TMSが脳の自己修復能力を活性化し、アミロイドβの排出を促進する可能性があることが示唆されています (Weiler et al., 2019)。
- 神経炎症の軽減とシナプス機能の改善
- TMSは、脳内の炎症応答を軽減し、シナプス機能の回復を促進する可能性があります (Heidarpanah, 2022)。
まとめ
- TMSは認知機能を改善する可能性
- TMSは神経保護効果が期待できる
参考文献
- (Antczak et al., 2021)
- (Rabey & Dobronevsky, 2016)
- (日本人アルツハイマー型認知症をTMSで改善)
- (TMSはアルツハイマー型認知症患者の認知機能を改善する効果があると考えられる)
荷電TMSとは?
当院で提供する荷電TMSは、従来のTMSよりもさらに効果的に脳を刺激する治療法です。
- 施術時間が短い
従来のTMSでは通常、20~40分と施術自体に時間がかかります。
荷電TMSでは数分で治療が完了するため、時間的な負担が少なくなります。 - 低い費用負担
当院のAdvanced TMSは、1回の施術の費用が7700円と低く設定されています。
通院回数も少なく、1か月あたりの費用も圧倒的に低くなります。
※仮に保険でうつ病を治療する場合、入院して6週間の間に30回治療を行う必要 があります。また、費用も高額医療費の上限になるため、2か月で16万円程度です。
予約から診察までの流れ
治療
- 初回評価:
簡単な認知機能の検査を行います。 - 施術:
専用の装置を使い、頭に特殊な磁力線を当てます。1回通常1~3分程度で、治療中に痛みや不快感はありません。 - 治療後のフォローアップ:
治療後、効果を確認し、必要に応じて認知機能検査を行い、客観的な評価を行います。
TMSの副作用
TMS療法は、一般的に副作用が非常に少ない治療法です。治療後に軽い頭痛や、まれに吐き気を感じることがあります。
荷電TMS療法では、頭痛や吐き気が出ることはありませんが、施術後に眠気がでることがあります。
項目 | 料金 |
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診察料【初診】 | ¥5,500 |
診察料【再診料】 | ¥2,200 |
荷電TMS施術 | ¥7,700 |
お支払い
診察後に受付でお支払いください。
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